ひとりサロンの開業資金はいくら必要?自宅・賃貸・レンタルサロンを比較
こんにちは。ひとりサロンコーチのかとうひろきです。
「いつか自分のサロンを開きたいけれど、いくら貯金があればいいのだろう」
「自宅サロンなら、あまりお金をかけずに始められるのかな」
「最初から店舗を借りた方が、お客様に来てもらいやすいのだろうか」
サロン開業を考え始めると、こうしたお金の不安が出てくると思います。
私自身、2013年に名古屋の築40年のマンションの一室から腸セラピー専門サロンを始めました。
人脈も資金も十分ではない状態からのスタートでしたが、その後、13年間サロンを運営してきました。
その経験から、開業前の方にお伝えしたいことがあります。
開業資金は、少なければ少ないほどよいわけでも、たくさん用意すれば成功するわけでもありません。
大切なのは、自分がどのように働きたいのか、どのくらいのお客様をお迎えしたいのかを考え、それに合った開業方法を選ぶことです。
今回は、自宅サロン・賃貸店舗・レンタルサロンの3つを比較しながら、開業前に考えておきたい費用についてお伝えします。
ひとりサロンの開業資金はいくら必要なのか
最初に結論からお伝えすると、ひとりサロンの開業資金には、誰にでも当てはまる決まった金額がありません。
例えば、自宅の一室を活用して始める場合と、店舗を借りて内装工事を行う場合では、必要な費用が大きく変わります。
また、同じ自宅サロンでも、すでに施術ベッドや備品を持っている人と、すべて一から購入する人では違います。
そこで、まずは開業方法ごとの特徴を比較してみましょう。
3つの開業方法の比較
以下は、小規模なリラクゼーションサロンを一人で始める場合を想定した、説明用のモデルケースです。
| 開業方法 | 初期費用のモデル例 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 自宅サロン | 25万円 | 家賃負担を抑えやすい |
| レンタルサロン | 20万円 | 利用した時間に応じて費用が発生 |
| 賃貸店舗 | 120万円 | 店舗を自由に整えやすいが固定費が大きい |
※上記は全国平均や実際の見積額ではありません。比較のために設定した仮の金額です。設備、地域、工事、契約条件などによって大きく変わります。運転資金・生活費は別途必要です。
こうして比較すると、賃貸店舗は初期費用が大きくなりやすいことが分かります。
ただし、初期費用だけで開業方法を決めるのはおすすめしません。
開業時に必要なお金だけでなく、毎月いくらかかるのか、予約が少ない月でも続けられるのかを考えることが重要です。
1. 自宅サロンの開業費用
自宅サロンは、自宅の一室などを施術スペースとして利用する方法です。
私自身も、最初はマンションの一室からサロンを始めました。
自宅を活用するメリットのひとつは、新しく店舗を借りる必要がなければ、追加の家賃負担を抑えやすいことです。
また、通勤時間がかからず、生活に合わせて営業時間を決めやすいという特徴もあります。
自宅サロンの初期費用の例
例えば、次のような予算を考えてみます。
| 項目 | モデル金額 |
|---|---|
| 施術ベッド・備品 | 100,000円 |
| タオル・リネン類 | 30,000円 |
| オイル・消耗品 | 20,000円 |
| ホームページなど | 30,000円 |
| 写真・印刷物など | 20,000円 |
| 衛生・安全対策や予備費 | 50,000円 |
| 合計 | 250,000円 |
これは、すでに施術に適した部屋があり、大きな改装工事をしない場合のモデルです。
実際には、施術技術を学ぶための受講料や、必要な資格・保険などの費用も考慮する必要があります。
自宅サロンで確認したいこと
費用が比較的少なく済むとしても、誰でも自宅で営業できるわけではありません。
特に確認したいのは、次のようなことです。
- 賃貸物件やマンションの規約で営業が認められているか
- 家族の生活とお客様の動線を分けられるか
- 施術に適した広さや設備があるか
- 駐車場やアクセスに問題がないか
- 自宅の住所をどこまで公開するか
- 提供する施術に必要な法令上の条件を満たしているか
自宅サロンは固定費を抑えやすい一方、生活空間と仕事の空間が近くなるという特徴もあります。
私の場合は、最初から大きな店舗を構えるのではなく、限られた環境の中でサロンを始めました。
その経験もあって、最初から理想の空間をすべて完成させようとしなくてもよいのではないかと考えています。
ただし、お客様の安全や衛生、契約上の条件については、費用を抑えるために省略してよいものではありません。
2. レンタルサロンの開業費用
レンタルサロンは、施術スペースを時間単位などで借りる方法です。
施術ベッドやタオルなどが備え付けられている施設もあり、条件によっては少ない設備投資から始められます。
例えば、会社員を続けながら休日に施術をしたい方や、最初から毎日営業する予定がない方にとって、検討しやすい方法のひとつです。
レンタルサロンの初期費用の例
| 項目 | モデル金額 |
|---|---|
| 必要な施術用品 | 50,000円 |
| タオル・リネン類 | 30,000円 |
| オイル・消耗品 | 20,000円 |
| ホームページなど | 30,000円 |
| 写真・印刷物など | 20,000円 |
| 利用料の準備・予備費 | 50,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
こちらも説明のための金額です。
実際のレンタルサロンでは、ベッド・タオル・オイルなどの備品をどこまで利用できるかによって、必要な費用が変わります。
また、初期費用が少なくても、毎回の利用料が発生することに注意が必要です。
利用料を計算してみる
例えば、1時間2,000円のレンタルサロンを、1回の施術につき3時間借りるとします。
3時間には、施術だけでなく準備や片付けも含めます。
この場合、
1回の利用料:6,000円
月8回利用:48,000円
月16回利用:96,000円
となります。
ここで考えたいのは、お客様が増えた場合です。
レンタルサロンは、予約が少ない時期には費用を抑えやすい反面、利用回数が増えればレンタル料も増えていきます。
また、毎回同じ部屋を予約できるとは限りません。
荷物の運搬や準備、片付けに時間がかかることもあります。
レンタルサロンは初期費用だけで判断せず、1回の施術でいくら利用料がかかるかを計算することが大切です。
3. 賃貸店舗の開業費用
賃貸店舗は、自宅とは別に物件を借りてサロンを運営する方法です。
自分のサロンとして空間を整えやすく、営業時間や設備の面でも自由度が高い場合があります。
一方で、初期費用と毎月の固定費が大きくなりやすいことには注意が必要です。
賃貸店舗の初期費用の例
例えば、小規模な店舗を借り、内装を整えて始める場合を想定します。
| 項目 | モデル金額 |
|---|---|
| 物件の契約初期費用 | 400,000円 |
| 内装・設備工事 | 400,000円 |
| 施術ベッド・備品 | 150,000円 |
| タオル・消耗品など | 50,000円 |
| ホームページ・告知 | 100,000円 |
| 予備費 | 100,000円 |
| 合計 | 1,200,000円 |
物件の契約初期費用には、敷金や保証金、仲介手数料、前家賃などが含まれる場合があります。
地域や契約条件、工事内容によっては、この例を大きく上回ることもあります。
毎月の固定費に注意する
店舗を借りる場合、予約が入っていなくても家賃は発生します。
例えば、家賃80,000円、水道光熱費15,000円、通信・予約システム費5,000円なら、毎月100,000円です。
これに消耗品費や広告宣伝費、保険料などが加わります。
さらに、自分の生活費や税金なども考える必要があります。
賃貸店舗が悪いということではありません。
ただ、毎月の固定費を支払うために、希望していなかった働き方を選ぶことにならないかは、開業前に考えておきたいところです。
4. 開業資金とは別に 運転資金を用意する
ここまで紹介した初期費用とは別に、開業後の運営に必要なお金を考える必要があります。
それが運転資金です。
例えば、賃貸店舗の毎月の事業固定費が100,000円の場合、3ヶ月分で300,000円、6ヶ月分で600,000円になります。
もちろん、3ヶ月分や6ヶ月分を用意すれば必ず安心という意味ではありません。
必要な金額は、売上の見込みや費用、家計の状況などによって変わります。
また、売上があっても、そのすべてが手元に残るわけではありません。
施術用品の購入、決済手数料、税金なども考慮する必要があります。
私が開業前の方に考えていただきたいのは、予約が思うように入らなかった場合でも、どのくらいの期間サロンを続けられるかということです。
開業初月から十分な売上が得られるとは限りません。
だからこそ、初期費用だけでなく、開業後のお金についても計画しておきたいと思います。
5. 月に何人のお客様が必要なのかを計算する
では、実際に月に何人のお客様が来てくださればよいのでしょうか。
ここでは、平均客単価10,000円のサロンを例に考えてみます。
月間売上の計算例
| 月の来店回数 | 月間売上 |
|---|---|
| 10回 | 100,000円 |
| 20回 | 200,000円 |
| 30回 | 300,000円 |
| 40回 | 400,000円 |
これは売上であって、利益ではありません。
ここから必要な経費を支払います。
例えば、月間売上300,000円、事業経費100,000円なら、経費を差し引いた金額は200,000円です。
そこから所得税や住民税、社会保険料なども考える必要があります。
また、毎月30回の来店があったとしても、それが30人の異なるお客様とは限りません。
継続して通ってくださる方がいれば、同じお客様が複数回利用することもあります。
大切なのは、売上目標を決めるだけではなく、それを実現するために必要な来店回数と、自分が実際に対応できる人数を確認することです。
いくら売上が必要なのかを考える
例えば、次のような仮定を置きます。
- 毎月必要な生活費:200,000円
- 毎月の事業経費:80,000円
- 税金や社会保険料などに備える金額:50,000円
この場合、単純計算では月330,000円の売上が必要になります。
平均客単価が11,000円なら、月30回の来店が必要です。
もちろん、実際の税金や社会保険料は所得や加入制度によって異なるため、これはあくまで計画を考えるための例です。
ここで、月30回の施術を行う働き方が、自分の理想と合っているかも確認してみてください。
週に何日働きたいのか。
1日に何人のお客様をお迎えしたいのか。
施術以外の仕事に、どのくらいの時間を使うのか。
数字で考えてみると、理想の働き方と必要な売上の関係が見えやすくなります。
6. 開業する場所を決める前に確認したいこと
開業資金を考えるうえで、もうひとつ大切なことがあります。
それは、実際にその場所で希望する施術を提供できるかということです。
例えば、賃貸物件の場合、契約上は居住用として貸し出されていることがあります。
また、マンションの管理規約によって、事業利用が制限されていることもあります。
さらに、提供するサービスによっては、資格や届出、設備基準などの確認が必要です。
整体、リラクゼーション、エステティック、あん摩マッサージ指圧などは、同じように身体に触れるサービスでも、法令上の扱いが異なる場合があります。
物件を契約する前に、不動産会社や管理者、必要に応じて所管の行政機関に確認しましょう。
また、個人事業として開業する場合には、税務署への届出なども確認が必要です。
詳しくは国税庁の公式案内を参考にしてください。
私が自宅の一室から始めて感じていること
私は2013年、名古屋のマンションの一室からサロンを始めました。
当時は十分な資金や人脈がある状態ではありませんでした。
それでも、自分ができる範囲からスタートし、13年間サロンを続けてきました。
その経験から感じているのは、最初から大きな設備を揃えることが、必ずしも良い開業につながるわけではないということです。
もちろん、ある程度の資金を用意して、理想の空間をつくる方法もあります。
立地や設備が、提供するサービスの価値につながることもあるでしょう。
ただ、まだお客様がどのくらい来てくださるか分からない段階で、大きな固定費を抱えることには慎重でありたいと思っています。
特に、ひとりサロンでは、自分自身が施術を行うため、一日に対応できる人数にも限りがあります。
売上を増やすために、無理に営業日や施術人数を増やさなければならない状態になっていないか。
開業前から、この点を考えておくことは大切だと思います。
私が大切にしているのは、自分の生活や希望する働き方と、サロンの運営が無理なく両立できることです。
自宅・賃貸・レンタルサロン どれを選べばよいのか
3つの方法には、それぞれ特徴があります。
自宅サロンが向いている場合
すでに利用できる部屋があり、生活環境や契約上の条件が整っている方には、検討しやすい方法です。
ただし、家族との生活やプライバシーへの配慮も必要になります。
レンタルサロンが向いている場合
週末だけ営業したい方や、最初は少ない日数から始めたい方には、選択肢になります。
一方で、利用回数が増えると費用も増えるため、継続的な収支計算が必要です。
賃貸店舗が向いている場合
自分のサロンとして空間を整えたい方や、一定の日数で営業する計画がある方には、検討する価値があります。
ただし、固定費が大きくなるため、売上見込みと運転資金を慎重に確認することが大切です。
どれが正解ということではありません。
自分の資金、営業できる日数、提供したいサービス、生活環境を整理してから選ぶことをおすすめします。
開業前に考えておきたい5つの質問
ここまでの内容を、最後に5つの質問にまとめます。
- 自宅・賃貸・レンタルサロンのうち、今の自分が現実的に選べる方法はどれですか?
- 開業時に、いくらまでなら無理なく使えますか?
- 毎月のサロン経費と生活費はいくら必要ですか?
- 目標売上を達成するために、月に何回の来店が必要ですか?
- その来店回数を、希望する働き方の中で受け入れられますか?
すぐに答えられないものがあっても構いません。
まずは、分かっている数字と、これから調べる必要がある数字を分けてみてください。
例えば、自宅サロンを考えているなら、利用できる部屋の広さや必要な設備を確認する。
レンタルサロンなら、候補となる施設の利用料金を調べる。
賃貸店舗なら、物件の契約初期費用と毎月の固定費を計算する。
そんなところから、具体的な開業準備が始まります。
よくある質問
Q. ひとりサロンは10万円でも開業できますか?
すでに施術設備が揃っていて、追加の物件取得や工事が不要であれば、少ない初期費用で始められる可能性はあります。
ただし、10万円で誰でも開業できるわけではありません。
設備や衛生・安全対策、保険、集客の準備、運転資金などを含めて考える必要があります。
Q. 開業資金は借りた方がよいですか?
借入が必要かどうかは、資金計画によって異なります。
借入によって必要な設備を整えられる場合もありますが、毎月の返済が発生します。
借りられる金額だけでなく、売上が少ない月にも返済できるかを確認することが大切です。
資金調達については、日本政策金融公庫などの公的な相談先もあります。
Q. 自宅サロンとレンタルサロンは、どちらがおすすめですか?
自宅に適した部屋があり、契約上も営業できるなら、自宅サロンは固定費を抑えやすい方法です。
一方、自宅でお客様を迎えることが難しい場合や、少ない営業日数から始めたい場合は、レンタルサロンが向いていることもあります。
初期費用だけでなく、毎月の利用料や準備にかかる時間も比較してみてください。
まとめ|開業資金は金額よりも その後の働き方と合わせて考える
ひとりサロンの開業方法には、自宅サロン、賃貸店舗、レンタルサロンなどがあります。
それぞれにメリットと注意点があり、必要な資金も異なります。
だからこそ、最初から理想の店舗や設備をすべて揃えることだけを目標にしなくてもよいと思っています。
私自身、限られた資金の中で自宅の一室からサロンを始め、働き方を考えながら13年間続けてきました。
開業前に考えてほしいのは、いくらお金をかけるかだけではありません。
どんな働き方をしたいのか。
どんなお客様に来ていただきたいのか。
そのために、どのくらいの設備や資金が必要なのか。
自分に合ったサロンをつくるために、必要なところへお金を使い、無理のない計画を立てること。
それが、私が開業前の方にお伝えしたいことです。
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