こんにちは。一人サロンコーチのかとうひろきです。
「今月も新規のお客様を増やさないと」
サロンをつづけていると、この焦りは何度もやってきます。
でも、さきに結論をお伝えします。
一人サロンを安定させる近道は、新規集客ではなく、いま通ってくださっているお客様との関係を深くすることです。
きれいごとに聞こえるかもしれないので、この記事では数字の面から順番に説明します。
売上を分解すると、見え方が変わります
売上は、3つのかけ算でできています。
売上 = 人数 × 単価 × リピート率
「集客しないと」と焦るとき、わたしたちは3つのうち「人数」だけを見ています。
でも、かけ算だからこそ、こういう計算が成り立ちます。
人数を2倍にするのは、大変です。
いっぽうで、人数・単価・リピート率をそれぞれ1.3倍にすると、1.3 × 1.3 × 1.3 で約2.2倍。
それぞれを「3割だけ」よくすれば、全体は2倍を超えるのです。
そして3つのなかで、一人サロンがいちばん伸ばしやすく、いちばんお金がかからないのが、リピート率です。
なぜ新規より常連さんのほうが「やさしい」のか
理由は3つあります。
1. 新規のお客様は、いちばんコストがかかる
まだあなたを知らない人に信頼してもらうには、広告費か、発信の時間と労力が必要です。いっぽう常連さんは、すでにあなたを信頼してくださっています。
2. 一人サロンは、席がひとつしかない
施術できる人数には限りがあります。新規のお客様を追いかけつづけるモデルは、席数の多いお店のやり方です。少ない席を、長く通ってくださる方で満たすほうが、一人サロンのかたちに合っています。
3. 常連さんが、次のお客様を連れてきてくださる
深く信頼してくださっている方は、自然にあなたのサロンの話をします。新規集客をやめても新しい出会いが絶えないのは、この循環があるからです。
わたしのサロンに広告費ゼロで13年つづいている実感から言えば、順番はいつも「常連さんが先、新規はその結果」でした。
常連さんを大切にする、といっても媚びることではありません
大切なのは、値引きやおまけではありません。
覚えていること。それがいちばんの土台です。
前回話していたお子さんの受験のこと。仕事が忙しい時期のこと。からだの変化のこと。
「覚えていてくれた」という体験は、割引よりずっと深く届きます。
具体的には、この3つをおすすめしています。
ひとつ、施術のあとに、その日のお客様の様子をひとこと書き残しておく(カルテに気持ちのメモを足すイメージです)。
ふたつ、次回の来店時に、そのメモをひとつだけ会話にのせる。
みっつ、無理に次回予約をすすめない。かわりに「次はこのくらいの時期にケアすると良さそうです」と、お客様のからだを主語にして伝える。
売り込みではなく、関わり方。
「あなたにお願いしたい」は、この積み重ねから生まれます。
「新規を追わない」は「新規を断る」ではありません
誤解のないように、ひとつだけ。
新規のお客様は、これからも大切な存在です。
変えるのは、順番です。
常連さんとの関係を土台にして、そこから口コミと紹介で新しい方と出会う。広告や毎日の投稿で「集める」のではなく、関係の深さで「集まる」ほうへ。
頑張る方向を変えるだけで、サロンは選ばれ続けます。

13年つづけて、いちばん実感していること
わたしのサロンは、広告費ゼロのまま13年つづいてこれました。お客様の9割は女性で、長く通ってくださる方が多くいます。
振り返ると、この状態をつくったのは、新規を追いかける力ではありませんでした。
目の前のおひとりを大切にして、その積み重ねから紹介が生まれる。その順番を守ってきたことです。
新規集客に疲れたときは、思い出してみてください。
いま、あなたのサロンをいちばん支えてくださっているのは、たぶん、もう通ってきてくださっているあの方です。
まずは今週いらっしゃる常連さんおひとりのカルテに、気持ちのメモをひとこと足すところから、始めてみませんか。
よくいただく質問
Q. リピート率は、具体的にどうやって上げればいいですか?
割引や特典よりも、「覚えていること」がいちばん効きます。前回の会話やお客様の変化をカルテにひとことメモして、次回それを会話にのせる。この小さな積み重ねが「また来たい」をつくります。値引きで来た方は値引きで離れますが、関係で通う方は簡単には離れません。
Q. 新規集客を完全にやめても大丈夫ですか?
完全にやめる必要はありません。変えるのは順番です。まず常連さんとの関係を土台にして、そこから口コミ・紹介で新しい方と出会う。新規を「追いかける」のをやめる、という意味です。
Q. 次回予約を、押し売りにならずにすすめるには?
予約そのものをすすめるのではなく、お客様のからだを主語にして伝えます。「次はこのくらいの時期にケアすると良さそうです」のように。判断はお客様に委ねて、こちらは目安をお渡しするだけ。これなら押し売りにはなりません。
もう少し深く知りたい方へ
「集める」と「集まる」の違いについては、こちらの記事でくわしくお話ししています。

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